「うちの子、アレルギーじゃないかな」と心配になったことがある方、多いと思います。特にご自身にアレルギー性鼻炎があって辛い思いをされている場合、同じ症状でお子さんを苦しめたくないですよね。
注射器を使わないアレルギー検査
当院では、指先からの簡単な採血で、20分で結果がわかるアレルギー検査を導入しております。2、3歳から安全に検査ができます。
詳細はこちら⇒ http://www.allergyinsider.com/20min
測定できるのは以下の8種類で、反応がない、ある、強い、の3段階で判定します。
お子さんのアレルギーについて
*何歳くらいからアレルギーになるの?
最近の研究では、アレルギー性鼻炎はかなり小さいうちから起こることがわかってきました。体質的にアレルギーを発症しやすい児では、乳児期から発症する例があります。また、 1歳半検診の時点で既に1.5%はアレルギー症状があるという報告もあります。スギ花粉症は花粉に2回以上出会わないと発症しないので、早ければ2歳台で発症する可能性があります。しかしお子さんにとって初めてのスギ花粉飛散シーズンに花粉症を発症することはほとんどないでしょう。
*鼻アレルギーの症状は?
アレルギー性鼻炎の主な症状は、鼻のかゆみ・くしゃみ、水性鼻汁、鼻づまりです。
しかしお子さんの場合は、それ以外にもさまざまな形でアレルギーのサインを送ってきます。例えば鼻すすり、いびき、口呼吸などが鼻汁や鼻づまりのサインであったり、鼻や目をこすったり、顔をしかめたりすることも見られます。眼の痒みや涙目、咳、 鼻や眼の周りの皮膚のかゆみや発赤などもよくみられる症状です。
これらのサインに早く気づくことができるのは、やはりご両親です。怪しいなと思ったら、受診してください。下図のようなチェックリストも有効です。チェックが多いほど、アレルギーの可能性が高くなります。
*アレルギーの原因は?
空気中に浮いていて、鼻の中に入ってくるものはアレルギーの原因となる可能性がありますが、その中でも多いのはダニやゴキブリなどの虫、あるいはペットのイヌ、ネコなどによるハウスダスト系と、スギに代表される花粉系です。前者は一年中症状を引き起こし、後者は花粉が飛散するある特定の時期に症状が強くなります。
*アレルギーの診断
我々耳鼻科医は、鼻の中を見ることである程度は鼻の症状がアレルギーによるものかどうか判断できます。アレルギー性鼻炎のある方の鼻の中は真っ赤に腫れていたり、逆に青白く浮腫んだようになっていたりします。
しかしアレルギーの原因(抗原)まではわかりません。何が原因であっても鼻は同じように反応するからです。
反応する抗原を調べる方法はいくつかありますが、現在の主流はRASTという、血液検査によりある特定の抗原に対して反応する物質(IgE抗体)が体の中にどれくらいできているかを調べる検査です。この検査はIgEの値が数字で出てきますので、正確な診断が可能ですが、それなりの血液量(数ml)が必要なので、採血が苦手な小さなお子さんの場合はなかなか調べられませんでした。
今回の新しい検査では、指先をゴムで弾かれたくらいの痛みしか感じません(私たちもやってみました)必要な血液量はたったの数滴ですので、2〜3歳の小さなお子さんでも2、3分で十分な血液が集められます。
大人でもこの検査は可能ですが、項目が限られること、また検査結果が数値で確認できることから、採血が可能な方には通常の血液検査をお勧めしています。
アレルギーの原因を把握することで、これ以上症状が悪くならないように対策を立てられるようになります。また、スギ花粉とダニに対しては、舌下免疫療法によりアレルギーを起こす体質そのものを改善してしまうことができます。気になっていたお子さんはこの際調べておきましょう。