医療法人社団 千秋双葉会 東陽町耳鼻咽喉科


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お知らせ

花粉症の治療
2021/01/25

今年もスギ花粉症の方には辛い季節が巡ってきました。2021年の花粉悲惨予測が出ていますが、概ね東京、千葉など関東南部では2月上旬には飛び始めるという予測です。しかし実際には12月頃から、風の強い日などは少しずつ飛んできており、敏感な方には症状が出ています。今年の飛散量は平年より少ないものの、昨年よりは増加すると予想されていますので、十分な対策が必要です。

抗原回避
 花粉症を含め、アレルギー性疾患に対して最も効果的なのは「抗原(=原因物質)に出会わない」ことです。今年は皆さんマスクをすることが習慣になっていますので、以前より楽になると思われますが、正しく着用していないとマスクの隙間から花粉もウイルスも侵入します。漏れがないようしっかりつけてください。帰宅した際も、花粉を家の中に入れないよう玄関先でよく衣服を払って落としましょう。布団も外干ししたくなりますが、花粉が大量にくっついてしまいます。干さないでいるとダニが繁殖してしまいますから、布団乾燥機などを有効に活用してください。鼻の中を洗う鼻洗浄、目を洗う眼洗浄も効果的です。薬局で洗うための器具を売っていますので、お試しください。

薬による治療
 それでも症状が出てしまう方には、薬を使います。抗ヒスタミン薬と呼ばれる飲み薬が主体ですが、点鼻薬、点眼薬も併用します。鼻の中を拝見して、症状に合わせて処方いたします。
 抗ヒスタミン薬はアレルギー反応を抑える薬ですが、副作用として眠気が知られています。眠気の強さには個人差があります。しかも近年、抗ヒスタミン薬を飲むことで、眠気を自覚的に感じていなくても日常の仕事や勉強の効率を下げてしまうことがわかってきました。(インペアードパフォーマンスと言います)一般的には効果の強い薬ほど眠気が強い傾向がありますが、最近開発された薬は眠気が出にくいように改良されています。また、変わったところでは1日1回、貼るタイプの抗ヒスタミン薬も登場しました。体の中の薬の濃度が安定しやすいので、飲み薬の効果が切れやすい朝方などにもしっかり効果が持続すると言われています。
 点鼻薬はステロイドホルモンを鼻の中に噴霧します。ステロイドは副作用が気になる薬ですが、点鼻薬の場合は鼻粘膜の表面で効果を発揮し、体内に吸収されるとすぐに分解されてしまうので、副作用の心配がないことがわかっています。症状の軽い方は1日1回の点鼻で十分な場合もあります。
 点眼薬も耳鼻科で処方できます。眼の疾患のある方は念のため眼科の先生にご相談ください。多くは1日4回点眼する必要がありますが、1日2回で十分なものも登場しました。コンタクトレンズをしたまま使える防腐剤を含まないものもありますが、コンタクト自体がアレルギーにより荒れている結膜にさらに刺激を与えてさらに結膜炎を悪化させます。できればコンタクトを外してメガネにすることをお勧めします。
 これらの薬を、症状、ご希望に応じて組み合わせて処方いたします。今年初めて症状が出て、花粉症かどうかわからない方は、血液検査で診断できます。結果は数日〜1週間で出ます。
既にスギ花粉症と明らかに診断され、他院で昨年以前に処方され使っていた薬がある場合は、お薬手帳などわかるものを持参してください。当院のようなクリニックでは、厚生労働省の指導で一度の処方日数は28日までに制限されています。薬を変更した場合には、副作用の有無などを確認するため一度1週間後に受診していただきます。症状が安定していれば、オンライン診療も可能ですので、ご検討ください。

来年以降のために
 お薬でなんとか頑張って、ゴールデンウィーク頃まで辛い時期を凌げば、花粉症のことなど忘れてしまうのが人間の常です。しかしまた春が来れば花粉は飛びます。来年以降、少しでも楽に過ごせるよう、先手を打っておきましょう。
 舌下減感作療法により、アレルギーの症状を薬で抑えるのでなく、根本を治療できます。詳しくは「舌下免疫」に書いてありますが、数年頑張ればその先ずっと、花粉症の辛さから解放される可能性があります。花粉が飛ばなくなったら始めていませんか?
 また、「レーザー治療」もあります。花粉症の症状のない時期に行わなくてはいけませんので、今シーズンは間に合いませんが、今年の年末のカレンダーに書き込んでおくと、将来の自分へのプレゼントになるかもしれませんね。

注射による花粉症治療について

 「自分はひどい花粉症で、今までいろんな薬もらったけど全然効かないし毎年とても辛い」という方もいらっしゃると思います。スギ花粉はアレルギー反応を引き起こす力(抗原性といいます)が非常に強く、しかも量が多いため、既存の薬物治療では不十分な方も多くいます。
 新たな治療法として、注射により花粉症をはじめとしたアレルギー反応を抑制できる。ゾレアという薬が一昨年の12月より使用できるようになりました。
抗体医薬と呼ばれるもので、かなり高価な薬ですが、症状のひどい方には劇的な効果が見込めます。この薬を使うためには、前もって血液検査が必要で、さらに既存の治療で効果が十分でないこと、などかなり厳しい条件があります。また、体重と血液検査の結果で薬の投与量、そして医療費が決まり、3割負担の方で月4000円〜70000円とかなり幅があります。高額医療費制度やお勤め先の福利厚生により医療費補助などが使えるケースもあります。
 まずは製薬会社さんのサイト「重症花粉症ドットコム」でご自身の症状が重症花粉症であるかどうかをチェックしてみてください。その結果をお持ちいただければ、さらに詳しい内容についてお話しいたします。お勧めするのは受験生の方や、スポーツなどで外に出る機会が多く花粉を避けることが難しい方です。

 以前、ある薬をシーズン前に一度注射しておくと花粉症が出なくて済む、という治療が流行した時期がありました。ステロイドの徐放剤というもので、ゆっくり溶け出すようにしたステロイドを筋肉注射していました。ステロイドはアレルギーを含む免疫反応を抑えるので、確かに花粉症は楽になります。しかし溶けるスピードをコントロールできないので、ステロイドによる副作用が強く出てしまったり、注射した部位に硬結(硬くしこり状になってしまう)ができたりすることなどから、日本アレルギー学会ではこのステロイド徐放剤の注射はしないように声明を出しています。

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